Thursday, December 3, 2009

日本における自殺対策 ー 年始年末に向けて

お知らせ:

日本では今年も自殺者数が過去11年に引き続き高止まりを記録しているようです。
年始年末、そして自殺者数が特に高まる3月までの期間はさらに自殺対策が求められる時期です。

内閣府自殺対策担当者3名、秋田大学、NPO自殺対策ライフリンク代表で構成される自殺対策緊急戦略チームが発足したというニュースをご紹介します。

このチームは自殺者数が高まるこれからの時期に向けて「自殺対策100日プラン」なるものを制作し、具体的かつ総合的な自殺対策戦略を提案しています。

http://www.lifelink.or.jp/hp/top.html

官/民/学がチームとしてお互い物質的、人的、知的リソースを出し合い、効果の出る自殺対策に繋がっていきますようにと願ってやみません。

Thursday, November 12, 2009

NYジャピオン誌に自死遺族サポートグループのインタビュー記事が載りました

NYにある週刊NYジャピオンに自死遺族支援グループ (JSOS)のインタビュー記事が掲載されました。心と体のメンテナンスというコーナーで11月の4週間連続で紹介されます。

ジャピオンのHPで記事が読めます。

http://ejapion.com/living/health/531

少しでも多くの遺族の方たちのもとへこの情報がつながっていくといいな、と願っています。

JSOS専用のボイスメールとメールアドレスを作りました。
リクエストがあれば遺族スタッフが質問に応対することが出来ます。

「グループに行く程自分は弱っていない」とか、

「専門家に診てもらって病気扱いを受けたくない」とか、

または「グループって何だかコワそう」とか、

思っている人たちがいたら、
少しでも気楽に遺族スタッフの新しいサービスを利用していただけたらなあ、
と思っています。

JSOS Voicemail: (646)374-8132
Email: JSOSNYC@gmail.com

Sunday, October 18, 2009

Inspiring quote - Diana Fosha

私のトレーニングを受けているAEDP研究所の所長ダイアナ フォーシャ先生の言葉を紹介したくなりました。彼女とは大学院時代からお世話になっていますが、シャープな知性と暖かい人格のバランスが良く取れている稀な人です。彼女に会うたび彼女の深い共感力に胸を打たれます。

AEDPのリストサーブで回ってきたものにこの引用があり、ここでシェアしたくなりました。読むと今がどんな大変な絶望的な時でも、今まで知らなかった自分のチカラが発揮されたりとか奇跡が起こりうる、って思えて励まされます。渦中にいるときはそれが何か分からなくても。

"Not so infrequently, in the course of dealing with tragedy, with destruction, with misfortune, and evil, we are taken aback by the miracles that we are privileged to witness. Steeled for the worst, we encounter the best. It is not only that some are strong at the broken places; it is also that, through trauma, others become strong, and discover they're strong in ways they never knew. For sometimes trauma awakens extraordinary capacities that otherwise would lie dormant, unknown and untapped. Without the trauma, they would never see the light of day." Diana Fosha, Ph.D.


悲劇や、破壊や、不運、そして悪意と向き合って行く中で、私たちは奇跡を目撃することを特別に許されることが少なくないことに驚く。最悪な状況に 行きそうなとき、私達は最高のものに出会う。それは、ある人たちは逆境に強いというだけでない。ある人たちはトラウマを通して強くなり、それまで知り得る ことのなかったやり方で強くなり得るのだ、と発見することもあるのだ。トラウマは時に、それなしには決して発見されることなく眠っていた、知られていな かった、使われていなかった無比の能力を目覚めさせることがある。トラウマなしにはそのような能力は決して日の目をみることはなかっただろう。

ダイアナ フォーシャ
www.aedpinstitute.org

Friday, October 2, 2009

NYに戻ってまいりました。診療を再開しています。

お知らせ:

働くひとのメンタルヘルスポータルサイトが産業医学振興財団によって作成されました。(10月1日付)。こころの健康確保と自殺、過労死予防のための情報が満載されています。

http://kokoro.mhlw.go.jp/

24時間対応の自殺防止いのちの電話や無料メール相談などのサービスも載っています。海外在住でも、こうしたサービスなら利用可能ですね。また、家族や職場の同僚/上司、支援者などへうつ病のチェックリストなども充実しています。

Friday, September 4, 2009

セッションお休みのお知らせ

9月5日から9月27日までセッションのお休みをいただいています。ご連絡頂きましたら27日以降にお返事させていただきます。ご迷惑をおかけします。

Wednesday, September 2, 2009

第四回 自死遺族サポートフループ JSOS 9月4日開催のお知らせ

[m:161] 自死遺族サポートグループ JSOSが9月に限り、第一金曜日9月4日の6時半から開催されます。

本来なら毎月第3金曜日にグループが開かれる予定ですが、ファシリテーターのスケッジュールの都合により、9月のみに限りいつもより二週間早めて1週目の金曜日に開くことになりました。

参加にご興味ある方はどうぞお気軽にご連絡下さいね。
info@flowerrivers.com

10月からは定例の第三金曜日に戻ります。次回のJSOSは10月16日6時30分からになります。

Monday, August 10, 2009

9月10日に国連で自殺防止の大会開催

9月10日(水曜日)に国連で自殺防止の大会があります。9月3日までにお申し込み下さいとのことです。ご興味のある方は Rebecca Thorp さんにご連絡下さい。rthorp@afsp.org or 212-363-3500 ext. 33

大会の題目は下にあります。自殺防止と文化が今年のテーマのようです。

We hope to see you there. Please RSVP by September 3 to Rebecca Thorp at rthorp@afsp.org or 212-363-3500 ext. 33. Be sure to include your full name and the names of any additional guests.

RSVP's are required to attend. Please bring photo ID and arrive by 9:30 a.m. to allow time to pick up your visitor's pass and go through security.

United NationsSeptember 10th at the United Nations Headquarters
Visitor's Entrance on 1st Avenue between 45th & 46th Streets
10:00 -11:30 a.m. Meeting Rm. 7 (Arrive by 9:30 a.m.)

Directions
Subway: 4,5,6 or 7 Train to Grand Central
Buses: M15, M27, M42, or M104
Parking is not available at the United Nations.

PROGRAM

Dr Werner Obermeyer, World Health Organization
Welcome

Professor Brian Mishara, President, International Association for Suicide Prevention
"Suicide Prevention: International Efforts and Cultural Themes"

Dr Jorge J. Rodriguqez, Pan American Health Organization/World Health Organization
"Culture and Suicide in the Americas"

Joanne Harpel, Director of Survivor Initiatives, American Foundation for Suicide Prevention
"Suicide Bereavement 101: The Survivor Experience."

Dr Gregory Luke Larkin, Professor, Vice Chair, Department of Emergency Medicine, Yale
"Suicide Related Visits to Emergency Departments around the World"

Dr Donna Barnes, President, National Organization for People of Color against Suicide
"Suicide Prevention: Specific Interventions for Culturally Diverse Populations."

Dr Jerry Reed, Director, Center for the Study and Prevention of Injury, Violence, and Suicide,
Dire
ctor, Suicide Prevention Resource Center
"Suicide and the Elderly: A Global Perspective"

Dr. John Draper, Project Director, National Suicide Prevention LifeLine
"Telephone Helpline Services: Cultural Differences"

Dr Annette Beautrais, Yale, and the University of Otago, New Zealand
"Considering Culture in Preventing Suicide"

American Foundation for Suicide Prevention

120 Wall Street, 22nd Floor

New York, NY 10005

212-363-3500

www.afsp.org

Sunday, May 10, 2009

私達の一番恐れるものは、、、? ネルソンマンデラさんのコトバ

昨日AEDPのセミナーに行ってきました。(www.adepinstitute.org サイコセラピーの研究所です。)今回はEileen Russell という研究所での中心的教員です。タイトルはMining for Gold: Enhancing Resilience in AEDP。その冒頭で次のようなネルソンマンデラ氏のコトバが紹介されました。感激したのでここにアップしてみなさんとシェアしたくな りました。(ちょっと長いし英語だけどごめんなさい)


Our worst fear is not that we are inadequate. Our deepest fear is that we are powerful beyond measure. It is our light, not our darkness, that most frightens us. We ask ourselves, "Who am I to be brilliant, gorgeous, talented, fabulous?" Actually, who are you not to be? ... Your playing small does not serve the world. There is nothing enlightened about shrinking so that other people won't feel insecure around you. We were born to make manifest the glory of God within us. It is not just some of us, it is in everyone and as we let our own light shine, we unconsciously give other people permission to do the same. As we are liberated from our own fear, our presence automatically liberates others.

By Nelson Mandela

今週は一日1回でいいのでどんなに小さく見えてもいいから、自分の中のパワー、想像力、創造力、美しさ、賢さ、知性、優しさなんかを自由に表現させてあげることにしよう、と決めました。みなさんもどうぞ。

Monday, April 27, 2009

自死遺族サポートグループのお知らせ

さてこの度、自死遺族(自殺で親族を亡くされた方々)のためのサポートグループを始める事にしましたのでお知らせ致します。
(自殺は反社会的行為というニュアンスがあるため自死という単語を使っています)

みなさんもおそらくご承知の通り、日本では年間三万人以上の方が自死で命を落としています。遺族は自死により多大な精神的ストレスを経験し、自死の影響を時には何年も引きずることは稀ではありません。そして自死という特別な状況のため、誰にも話を出来ず孤独のうちに苦しむ方が多くいらっしゃいます。さらに、横のつながりの薄い異国の地ニューヨークにおられる自死遺族の方々の心の負担は日本にいる方々よりさらに大きい可能性があります。

このグループは同じ様な境遇を経験している遺族の方々が、ニューヨークでお互いを理解し支え合える場を提供するために創られました。

なお参加費は無料です。

1人でも多くの遺族の方がこのサポートグループを通して、なかなか他の状況では話せなかった自死にまつわるお話を似た境遇の仲間達とシェアしていただけたらと願っています。

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自死遺族のためのサポートグループ
Japanese Survivors of Suicide Support Group (JSOS)

自死遺族(自殺で親族を亡くした方々)のためのサポートグループを月一回の割合で開催する。参加費は無料。参加希望者は事前連絡が必要。毎月第3金曜日の6時半から8時までルーズベルト病院内にて。秘密厳守。匿名参加も可。第1回目は6月19日。

会場:ルーズベルト病院 Roosevelt Hospital
1000 10th Ave (between 58th and 59th St) 6th floor, Manhattan
問い合わせ:花川ゆう子 (臨床心理士)(212)523-4028 (直通) info@flowerrivers.com

ドクターワイス前世療法を語る (最終号)

前回からの続き: ドクターワイスは日本人に向けてのメッセージで、 禅で教えるようにバランスと調和をもっと生活に取り込み、心の内側への旅も大切にして欲しいと語った。彼は現代の日本人は働きすぎて日本独自のスピリチュアルなルーツを忘れがちなのではないかと心配する。

どうしてバランスが大切だと思われますか?

BW:バランスは人生すべての要素を高い視点から見させてくれます。長時間働くだけでなく時間を遊びや内省にも使うこと。時間の使い方は食事と同じです。食べ過ぎてもいけないし、食べなさすぎてもいけない。その中間の正しいバランスを探す事ですね。極端に走らないで、すべてにバランスを見いだす。バランスとハーモニーがあるところには、安らかさがあります。安らかに感じるとき、あなたの健康は肉体的にも感情的にも改善します。中道を見つけることが私の意味するバランスです。

人々はがむしゃらに働かなくてはゴールを達成出来ないと考えがちです。そのような人々がどのように中道を見つける事が出来るでしょうか。
BW:簡単なことではありません。でも私が禅の本を読むと、ほとんどの書き手は日本人です(笑)。ですから、答えはそこにあるのです。 私よりももっと賢い禅のマスターが昔いたのです。もし禅の本が複雑すぎるなら鈴木大拙の本を読みなさい。彼は近代的な書き手なので、禅のコンセプトを美しく分かりやすく書いています。彼はバランスとハーモニー、マインドフルネスについて書いています。マインドフルネスのコンセプトは禅のものですが、それはすなわちこの今の瞬間にいなさい、というものです。この瞬間の安らかさを感じなさということです。 
 禅の話を一つしましょう。マインドフルネスとは一杯のお茶をゆっくり味わいながら飲むようなものです。あなたが完全にこの今の瞬間にいるとき、あなたは飲んでいるお茶の甘み、味、そしてお茶の香りを楽しむ事が出来ます。もしあなたが過去の出来事をくよくよ悩んだり、将来の事を不安に思っていたら、茶碗を見下ろしたとき茶碗が気がつかないうちにからっぽになっているのに気づくでしょう。お茶を飲んだにも関わらず、お茶の匂いをかぎもしなかったし、味を味わいもしなかったわけです。でももし今の瞬間に完全にいることが出来たらお茶を存分味わって楽しむ事ができるのです。幸せが存在する唯一の場所は、今の瞬間だけなのです。      
 このお茶の話は人生のメタファーです。あなたが人生を楽しめるのは今の瞬間以外にはありません。この話はおそらく日本で生まれたものでしょう。これが私の言っているバランスとハーモニー、そしてどのように人生を楽しむかということをうまく表しています。すべての答えは今この瞬間にあるのです。

Monday, January 12, 2009

ドクターワイス前世療法を語る vol. 5 日本人へのメッセージ (前編)

ドクターワイス前世療法を語る vol. 5 日本人へのメッセージ (前編)

月刊アメリカンドリームの連載シリーズを掲載。

前回からの続き:ド クターワイスは将来的な計画を意識的に持たないようにしていると語った。彼は見返りを求めず、直感に従って正しいと思うプロジェクトを選んでいけば正しい 方向に人生が進むと常々考えているという。この哲学に基づいて行動する彼は、個人開業を辞めた2ヶ月後にオプラの人気番組に出演が決まり、それを皮切りに さらに人気が急上昇したという。アメドリとの取材も直感に従って承諾を決断したと語ってくれた。

日本の読者に何かメッセージはありますか?

BW: 日本人には美しいスピリチュアルなルーツを思い出して欲しいと思います。具体的に言えば、京都、または成田山などに行ってスピリチュアルなルーツに触れる ことですね。場所は実際はどこでもいいのですが、日本にある寺院の美しさをじっくりと経験して欲しいのです。あなたの国の持つ豊かなスピリチュアルな伝統 を思い出すのです。例えば、禅寺の庭。あれは京都だったかな。金閣寺、銀閣寺も行きましたが、私が好きなのは千手観音仏像のある、弓の名手が弓を放ってい たといわれる寺です(注:三十三間堂のこと)。
でも具体的な寺は問題ではありません。あなたの国の豊かなスピリチュアルな伝統を思い出せる場所ならどこで もいいのです。あなたの人生にバランスと調和を作って欲しいと思います。禅の本を少し読むのもいい。心を開いてみるのです(マインドフルネス)。心を開 く、というのは今この一瞬に自分の心にある考えや感情、自分は何を意識しているのか気づく事が出来る、ということです。これが出来るようになると、不安が なくなっていきます。
 
そういえば、私が初めて日本へ行ったときは桜の季節でした。私は未だに桜吹雪が川に舞い落ちていくさまを眺めてそれをじっくり体験し たことを憶えています。とても美しくやすらかな瞬間でした。日本にいると、心を開き、やすらかで豊かな瞬間を味わうということが簡単に出来るような気がし ます。美しいものに対して感謝の心を持つことも簡単に出来るように思います。
 
私の日本人読者へのメッセージは、日本古来のスピリチュアルな伝統は目前にあ るのだから、人生にもっとバランスを取り込んで欲しいということでしょうか。そして働きすぎないこと。働き過ぎている人たちに言いたのですが、人生はすべ て仕事ではありません。美であり、平和であり、調和であり、バランスです。日本は勤勉さですばらしく発展しましたから働き過ぎに対して偏見を持ちたくはな いのですが、心の内側への旅ということも大切にして欲しいと思います。バランスを取り込む事で仕事もさらに効率よく出来るようになりますよ。ですからもし かするとバランスを取り入れることで16時間働くのではなく10時間で仕事が出来るようになるかもしれません。そして少しの間瞑想するのです。スピリチュ アルな理解はストレスと不安を軽減させてくれます。すると楽観的になり、希望が持てるようになります。すると他の人たちとの関係も改善して、素敵なサイク ルが生まれてくるのです。(続く) 

略歴
Brian Weiss, M.D. 精神科医: コロンビア大学卒業後、イエール大学医学部医学博士号を取得。FL州マウントサイナイ病院の精神科部長兼マイアミ大学医学部精神科の教授を勤めた。今までに8冊の前世療法の本を出版。現在は、個人開業を離れ前世療法のワークショップを世界各国で行っているwww.brianweiss.com
花川ゆう子 Ph.D. 臨床心理学者:NYU修士課程卒業後、アデルファイ大学臨床心理科博士課程修了。現在セントルークス病院の外来精神科クリニックで勤務。個人開業では従来の心理療法にヒプノセラピーを織り交ぜたホリスティックな治療を行っている。www.flowerrivers.com
写真・構成 板越ジョージ