Monday, January 12, 2009

ドクターワイス前世療法を語る vol. 5 日本人へのメッセージ (前編)

ドクターワイス前世療法を語る vol. 5 日本人へのメッセージ (前編)

月刊アメリカンドリームの連載シリーズを掲載。

前回からの続き:ド クターワイスは将来的な計画を意識的に持たないようにしていると語った。彼は見返りを求めず、直感に従って正しいと思うプロジェクトを選んでいけば正しい 方向に人生が進むと常々考えているという。この哲学に基づいて行動する彼は、個人開業を辞めた2ヶ月後にオプラの人気番組に出演が決まり、それを皮切りに さらに人気が急上昇したという。アメドリとの取材も直感に従って承諾を決断したと語ってくれた。

日本の読者に何かメッセージはありますか?

BW: 日本人には美しいスピリチュアルなルーツを思い出して欲しいと思います。具体的に言えば、京都、または成田山などに行ってスピリチュアルなルーツに触れる ことですね。場所は実際はどこでもいいのですが、日本にある寺院の美しさをじっくりと経験して欲しいのです。あなたの国の持つ豊かなスピリチュアルな伝統 を思い出すのです。例えば、禅寺の庭。あれは京都だったかな。金閣寺、銀閣寺も行きましたが、私が好きなのは千手観音仏像のある、弓の名手が弓を放ってい たといわれる寺です(注:三十三間堂のこと)。
でも具体的な寺は問題ではありません。あなたの国の豊かなスピリチュアルな伝統を思い出せる場所ならどこで もいいのです。あなたの人生にバランスと調和を作って欲しいと思います。禅の本を少し読むのもいい。心を開いてみるのです(マインドフルネス)。心を開 く、というのは今この一瞬に自分の心にある考えや感情、自分は何を意識しているのか気づく事が出来る、ということです。これが出来るようになると、不安が なくなっていきます。
 
そういえば、私が初めて日本へ行ったときは桜の季節でした。私は未だに桜吹雪が川に舞い落ちていくさまを眺めてそれをじっくり体験し たことを憶えています。とても美しくやすらかな瞬間でした。日本にいると、心を開き、やすらかで豊かな瞬間を味わうということが簡単に出来るような気がし ます。美しいものに対して感謝の心を持つことも簡単に出来るように思います。
 
私の日本人読者へのメッセージは、日本古来のスピリチュアルな伝統は目前にあ るのだから、人生にもっとバランスを取り込んで欲しいということでしょうか。そして働きすぎないこと。働き過ぎている人たちに言いたのですが、人生はすべ て仕事ではありません。美であり、平和であり、調和であり、バランスです。日本は勤勉さですばらしく発展しましたから働き過ぎに対して偏見を持ちたくはな いのですが、心の内側への旅ということも大切にして欲しいと思います。バランスを取り込む事で仕事もさらに効率よく出来るようになりますよ。ですからもし かするとバランスを取り入れることで16時間働くのではなく10時間で仕事が出来るようになるかもしれません。そして少しの間瞑想するのです。スピリチュ アルな理解はストレスと不安を軽減させてくれます。すると楽観的になり、希望が持てるようになります。すると他の人たちとの関係も改善して、素敵なサイク ルが生まれてくるのです。(続く) 

略歴
Brian Weiss, M.D. 精神科医: コロンビア大学卒業後、イエール大学医学部医学博士号を取得。FL州マウントサイナイ病院の精神科部長兼マイアミ大学医学部精神科の教授を勤めた。今までに8冊の前世療法の本を出版。現在は、個人開業を離れ前世療法のワークショップを世界各国で行っているwww.brianweiss.com
花川ゆう子 Ph.D. 臨床心理学者:NYU修士課程卒業後、アデルファイ大学臨床心理科博士課程修了。現在セントルークス病院の外来精神科クリニックで勤務。個人開業では従来の心理療法にヒプノセラピーを織り交ぜたホリスティックな治療を行っている。www.flowerrivers.com
写真・構成 板越ジョージ